自尊心

心理学における自尊心(じそんしん、self-esteem)は、個人が自己を受容し、自分自身に対して肯定的な評価を持つ感情や信念の状態を指します。自尊心は、自己価値感や自己評価とも関連しており、個人が自分自身をどのように受け入れ、自分自身をどのように評価しているかを表します。
 
 自尊心の高い人は、一般的に自信を持ち、自己価値感が高く、他者との関係においても健全なバランスを保つ傾向があります。彼らは自分自身を尊重し、自己肯定感を持ちながら、他人の意見や評価に過度に依存することなく、自己決定や自己実現に向かって行動することができます。
 
 一方、自尊心の低い人は、自己否定感や自己価値感の欠如を感じる傾向があります。彼らは自分自身に対して否定的な評価をし、自信を持ちにくい傾向があります。自尊心の低さは、心理的な問題や社会的な困難を引き起こす可能性があり、自己評価や人間関係の構築にも影響を与えることがあります。
 
 自尊心は、個人の成長、幸福感、ストレスへの対処能力などにも関連しています。心理学では、自尊心の形成や発達、自尊心の向上を支える要素や介入方法について研究が行われています。自己肯定感の向上や適切な自己評価の構築は、個人の健康な心理的発達や幸福感を促進する上で重要な要素とされています。